ソロモンの偽証 前後編

私には合いませんでした

原作未読なのでそっち読んだら面白いのかも

映画は面白くなかった

 

 

(ネタバレ込みで書くけど結構前の作品だしまあええやろの精神で書いてます)

 

 

ざっくりとした本筋は

朝登校した主人公が校庭で死んでいる同級生(柏木くん)を見つける

警察は自殺と処理するが、担任教師と校長宛に「柏木くんは自殺ではない。犯人は別の3人だ。」という旨の告発状が届く

生徒達は真相を暴くべく”校内裁判”を開くことにした

 

こんな感じ

 

 

 

 

 

とにかく登場人物が畜生

DVだけでは飽き足らず実の母親を保険金目当てで焼き殺したオヤジとか、隣人をストーキングして最終的にビール瓶で殴って殺そうとする統合失調症のおばさんとか、怒鳴ることしかできない上平気で生徒を殴るヒステリー女性教師とか

こんなに濃い人物たちは果たして本当に必要だったのだろうか

濃すぎてノイズだったような気がする

まともな人間が出てくるとホッとするレベルで即留置場行きの人間ばかり

なので感情移入もしにくく見ていてキツい

 

 

そんな危険人物のオンパレードの中でも柏木くんの異常性は目に付く

何度も「口先だけの偽善者が一番タチが悪い」と繰り返す中二病患者

変なやつに見せかけた実は裏で色々知ってる有能キャラかと思ってたら、なんか深いようで意味の無いことをほざいて世界を知った気分になってるよくいる勘違い中学生だった

柏木くんの死を中心に物語が進んでいくのに肝心の柏木くんがカスだから気乗りしない

 

 

というか柏木くんが死んだ理由もよく分からない

たぶん中二病が行き過ぎてもう訳わかんなくなってたんだと思うけど

散々付き合ってくれた最後の友達に

お前の血は穢れているからまともな大人にならない

とか

どうせお前もアル中で妻を殴り殺すんだから死んだ方がマシだ

とかほんとに最低な事を言いまくるから救いようがない

遂にその友達にも見捨てられそうになるが、「君が帰るなら僕は屋上から飛び降りてやる」とかほざきだす

案の定勝手にしろと言われそのまま発狂して飛び降りて死ぬ

ほんとに何なんだこいつ

”んーこいつ不快だから早く飛び降りないかな”と思いながら見てたのはきっと私だけではないはず

ここまで酷い登場人物もなかなかいない

柏木くんがもっと魅力的だったら面白かったのだろうか

 

柏木くんの悪口だけで4000文字くらい書けます(マジ)

 

 

 

あまりにもかわいそうなので柏木くんにも意味を持たせてあげよう

彼が何度も決めゼリフのようにほざいていた

「口先だけの偽善者が一番タチが悪い」

この言葉について少し考えてこの記事は終わろう

 

彼がこのセリフを言った場面はこうだ

主人公はある日歩道橋の上で3人組にいじめられている同級生2人を見かける

恐怖に怯えた主人公はその場を立ち去ろうとするが柏木くんに見つかり

「君はいつも教室でいじめはダメだと言っているのに逃げるのか?止めに行かないのか?そういう口先だけの偽善者が一番タチが悪いんだ」

という

 

…うん、柏木くん一旦黙ろうか

お前が行けという喉まで出かかった言葉をなんとか飲み込む

確かに止めに入るべきだ間違いない

不正を許してはいけない

暴力は悪だ

 

でも止めに行ったらボコボコにされるのは目に見えている

その状況で女子中学生である主人公に柏木くんは、お前は偽善者だ。とのたまうのだ

一体どの口がそんなことを言うのか

お前が行け

 

 

 

別のシーンで柏木くんはアル中の父親が母親を殴り殺した、という悲惨な過去を持つ唯一の友達に対して

「お前は過去から逃げているだけだ。そういう口先だけの以下省略」

とデリカシーの欠けらも無いことを言う

誰でも逃げるだろ!

そんな辛い過去を背負って生きていける奴なんて碇シンジ衛宮切嗣ぐらいのもんだろう

 柏木くんカス過ぎて頭痛くなってきた…

やっぱり柏木くんの悪口になっちゃったけどもういいや

 

 

 

あえて言おう

口先だけの偽善者の何が悪いのか?と

逃げたって良いじゃないか

偽善者上等

ボコボコにされるのに飛び飲むのは勇気ではなく蛮勇

悲惨な過去のことばかり考えて生きて行けるはずもない

 

”三十六計逃げるに如かず”という言葉がある

逃げることが最善手の場面もあるのだ

逃げよう

大いに逃げよう

白昼堂々逃げ出そう

面倒なことは全部柏木くんに任せてどこか遠くまで逃げよう